マレーシア観光 ラマダンは断食なのに日没後が食の祭典?!

モスク

様々な宗教や健康法として断食がありますが、マレーシアでの断食=ラマダン期間は旅行者にとって、なぜか楽しめる部分もあるんです。

ラマダン期間は、どのように楽しめるのか、ご紹介していきます。

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ラマダンの期間は?

ラマダンはイスラム暦(ヒジュラ暦)でいう第9の月、コーランに則り断食をする期間です。

これは太陰暦(1年354日)なので、毎年少しづつ期間が11日づつ早まり一定ではありません。

参考までに2018年は5月15日(火)〜6月14日(木)でした。

その期間、日の出から日没までの間は一切の飲食が禁じられますが、日没後から夜明けまでの間には飲食をすることが許されます。

完全な断食ではありませんが、暑い日中に水も口にできない体力の消耗は、いかほどかと想像を絶するものがあります。

イスラム教のラマダンとは

断食だけではなく様々な私利私欲をおさえることで、堕落した考えを捨てて精神を鍛え、神への献身と奉仕をすること、そして恵まれない人への慈愛を育む、それがラマダンなのだそうです。

ラマダンの期間中は、寄付を募ったり、恵まれない人々に日没後の夕食をごちそうすることもあります。

ラマダンではありませんが、この感覚と似ているものが披露宴ではないでしょうか。

日本では招待された人だけが出席することに対して、マレーシアでは誰にでもとてもオープンです。

体育館や公共の施設、大きな公園で行われることも多く、たまたま通りかかった人でもたくさんの人と幸せを分かち合い、披露宴の食事が振る舞われます。

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ラマダン(断食)なのに太る?!

こんなストイックな儀式をしているのに不思議なウワサです。

ラマダンは太陽が沈むと食べられることがキーワードになります。

日中活動中に食事を摂れないぶん、日没後に摂取をすることになるわけですので、食べ貯めをする傾向になり、いつもよりカロリーが多くなってしまう方がいるようです。

その上、ラマダンフェアなる盛大な食のイベントが、断食期間の日没後に行われているのです。

お祭りのような賑やかさで「本当に断食か!」と突っ込みたくなるような光景。

日没は夜7時過ぎに暗くなり始めますので、夜寝る直前にたくさん食べるわけです。

しかも、マレー系の食事は油っこい料理がとても多いので、女子としては調子に乗って食べてはいけない期間でもあります。

そのような理由で、太る人もいる断食月間ということにもなってしまうようです。

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断食は強制?

いえいえ、そんなことはありません。

ラマダン中は夜になれば食事ができますが、妊婦や健康上の理由などがある場合は免除されることもあるようです。

また、子供達も断食はまだしません。

ちょっと安心しました。

数年前の世界的な酷暑の年には、屋外で働く肉体労働的な人たちは水を飲んでもいいと言われていたような記憶があります。

こういったことから、マレーシアのイスラム教は、私がちょっと知った限りでは柔軟性があるように思います。

たとえば、断食ではありませんが豚を食べない、というのはイスラム教の有名な戒律の一つです。

海外のイスラム教の影響が少ない文化圏でこれを守ることは、食べても大丈夫なものを見わけなくてはなりません。

一見、豚肉料理ではなくても、出汁やラード、味の素のようなものに豚由来の成分が含まれたり、製造、精製する過程で使用されたりすることが多々あります。

これを見分けることはとても困難です。

現地では豚以外のお肉を食べますが、この食肉の処理の仕方も厳密に決められています。

その過程を経たものだけを口にできるのですね。

ですから、豚以外の肉なら食べる、という簡単なことではないのです。

とは言っても、海外で食べるものがなくては命に関わります。

そんな時は食べてもいい、そういう柔軟な部分があるようですね。

イスラム教のハラルとは

さて、その食べていいものをハラル、食べてはいけないものをハラム(ノンハラルとも言われている)と呼んでいますが、どのようなものをいうのでしょうか。

イスラムの教えでハラルは「許されている」という意味があり、食べていいものの例として

野菜、果物、魚、卵、牛乳、イスラムの方式にしたがって”処理された動物の食肉やその加工食品

反対に「禁じられている」という意味のハラムは

豚、犬、死んだ動物の肉、イスラムの方式にしたがって処理されていない食肉やその加工食品、血液など、そして酒、かぎづめのある動物などなど

マレーシアやタイもそうですが、ムスリムの多い国では、上記のルールに従った食品にハラルマークが付いているのをよく見かけます。

それが、中華系やインド系、タイ系の食品であっても、ハラルな食材で作られていればハラルマークがつけられています。

また、多民族国家マレーシアでは、豚肉を売るコーナーは同一店舗であっても区画が完全に隔離された場所に置かれます。

または、扱っていない店舗も多く、豚肉を探すのが難しい生活エリアもあります。

その上、大きなスーパーでは豚肉売り場に休憩などで店員が不在の時があると困ります。

そんな時は店員が戻るのを待つか、ムスリムではないレジ係を探して買うことになります。

まとめ

ラマダンを知るだけでもイスラム教の良さが少し伝わってきたのではないでしょうか。

近頃はイスラム教に対して良い印象を持てない事件が増えていますが、本来のイスラム教は知れば知るほど博愛に満ちている部分が多いことに気づかされます。

ニュースを賑わす悪い話に惑わされず、本質を知ることはとても大切だと感じることが海外へ行くと多々あります。

また、私たち日本人は決まった宗教観を強く持たない国民性なので、見落としがちになりそうですが、この期間中は、ムスリムの目の前で食事をすることをできるだけ避ける気配りを持つことも大切です。

しかし、ラマダンフェアやラマダンセールは一緒に楽しめるイベントですので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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