マレーシア観光 ディーン・フジオカ絶賛、おいしい肉骨茶!

肉と骨と茶。

料理なのかお茶なのか謎でちょっと怖いこの料理名、バクテーと読みます。

少し前にディーン・フジオカのフォーと肉骨茶へのこだわり、というテーマの企画をテレビでやっていたので、知られるようになったかもしれません。

この謎のマレーシア料理を今日は紐解いてみることにしましょう。

肉骨茶

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肉骨茶とは

10種類近くの漢方薬を入れたスープで、豚肉をコトコトとじっくり柔らかくなるまで煮込んだ料理です。

お好みで、レタスやキノコなどの野菜類、中国の揚げパン-油条-をちぎってスープに入れます。

それを青唐辛子の入った中国醤油「チリパディ」につけていただきます。

お肉は豚肉のあらゆる部分、豚足から骨つきバラ肉、モツまで使い、どの部位もほろほろに煮込まれていて、漢方の作用もあり脂っこくない美味しさは格別です。

注文は、豚肉のどの部分を食べたいか、野菜は何を入れるか、油条(中国の揚げパン)は欲しいか、など自分の好みで注文します。

サーブは、土鍋に入れてくれる店、小鉢に肉の種類ごとに分けてくれる店などがあります。

マレーシアの肉骨茶

肉は一度煮こぼすので、脂分が抜けた出汁と漢方薬が強いスープで長時間ほろほろになるまで煮込みます。

熟地黄が入っているので黒くて煎じた漢方薬のようなスープには、どんな味なのか躊躇しそうですが、見た目よりはあっさりしていてとても食べやすいです。

そして、テーブルに用意されているチリパディや他の香辛料をお好みで混ぜてタレを自作してつけて食べます。

シンガポールの肉骨茶

黒胡椒がとてもきいたパンチのある透明なスープで煮込みます。

ディーン・フジオカはこちら派ですね。

汁なしドライ肉骨茶

肉骨茶の肉だけを取り出して、スルメイカや唐辛子などと一緒に強火で焦げそうなくらいまで炒めます。

出来上がりは真っ黒に見えますが、やはりここでも中国醤油の良さで、コクはあっても味がマイルドなことです。

日本の醤油で作ったらしょっぱすぎて血圧大上昇、大変な味になってしまいますので要注意です。

発祥

マレーシアに移民として入ってきた中華系の労働者が、過酷な肉体労働に立ち向かうために考えられたというのが肉骨茶。

クアラルンプールの西側に位置するポートクランという港町で生まれました。

食肉として切り取られた豚肉の後に残ったのは肉が若干へばりついた骨、これを滋養強壮効果のある漢方スープで煮込んだのが始まりとされ、今では豚肉のあらゆる部分を使って煮込んでいます。

ディーン・フジオカ’s POINT

油揚げ・ほうれん草・八角・シナモンの木を除く

黒胡椒多め

白胡椒、シナモン・山椒少なめ

青菜を別皿でサーブ

お代わりスープを用意

食べた後に中国茶

このリクエストで、日本と現地の味の違いが伺えます。

これらのリクエストを踏まえてディーン・フジオカ限定肉骨茶を作っていただくと、まだダメ出しが。。。「しょっぱい」。

日本人好みの味付けは、生まれながらの日本人には気づかないようで、とにかく塩辛いのです。

というか関東以北がそうなんでしょうか。

海外の料理を日本で提供するには食べやすいように塩辛くしてあげる必要があるみたいです。

現地で食べて、日本へ帰ってくると何を食べても「しょっぱい」、それを私も実感します。

逆に海外で食べる和食がおかしなことになっているのと同じで、その土地にある食材と、土地の好みにあったものに作り変えるのは正しいことではありますけどね。

ココナッツオイルで揚げた天ぷらとか、笑っちゃうかもしれませんが、ココナッツの風味がプラスされて、日本の天ぷらとはまた違った味わいになっていて、実は好きだったりします。

海外からの観光客で人気のラーメン博物館ではこんなことを言っていました。

”海外からの観光客には味を薄くして、

東南アジアからの観光客には

麺も少し柔らかめに茹でるようにする”

マレーの友人が日本へ来た時も、日本食が “too salty” だと言って閉口していたのを思い出します。

そんな食文化の違いを、この番組はかなり面白く作り上げていて、うなずきながら観てしまいました。

ディーンさんのこだわりが強いのではなく、文化の違いでこんなにも変わってしまうということがわかる企画でした。

番組の中で、フィッシュヘッドカリーやレンダンにも興味を示していたので、ぜひ続編を観てみたいものです。

そして、これをきっかけに現地味で海外の料理を提供するお店が増えると私もすごく嬉しいです。

肉骨茶に使われる漢方の効能

八角

食欲増進、精神安定、虫除け、健胃、消化促進

クローブ

消毒、鎮痛、抗菌、鎮静、抗酸化、血行促進

フェンネルシード

胃腸の調子を整える、美肌、眼精疲労回復、鎮痛作用、抗炎症作用

粒黒胡椒

抗菌、防虫、防腐作用、血行促進作用、消化不良の改善、食欲増進、栄養素の吸収力アップ、抗酸化作用

黒なつめ

冷え性、鎮痛、鎮静、貧血、むくみ、高血圧、便秘、下痢

くこの実

老化防止、眼精疲労、眼病予防、美白・美肌効果、更年期障害、動脈硬化、生活習慣病予防、健胃、肝機能、冷え性、肩こり、腰痛

玉竹

滋養、強壮、強精、老化防止、美肌、色白、脳卒中、糖尿病、胃潰瘍

ヒカゲツルニンジン

血圧降下作用、疲労回復、食欲不振、口渇、下痢、脱肛

川芎

胃腸機能衰弱、帯下 (おりもの)生理痛、貧血症、冷え性、産前産後の障害、高血圧の随伴症状、化膿性皮膚疾患、菷麻疹、消炎排膿(化膿した状態)

熟地黄

補陰、補血の効能があり、性機能障害、泌尿器疾患、月経不順、足腰や耳目の衰えなど

当帰

肩こり、腹痛、腰痛、月経痛、月経困難、月経不順、冷え性、身体疼痛、婦人の更年期障害、産前産後の障害、貧血症

いやいやいやいや、最強ですね肉骨茶。

中医学の宝庫のようなお料理、これさえあれば健康間違いなしみたいなことになっていますね。

ぷらす食はバランスと安全性にも十分留意していきたいところです。

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レシピ

では、その肉骨茶をお家でも簡単に作ってみましょう。

限りなく現地味でということでしたら、漢方を買って煮込む時の塩、中国醤油は極力控えて、かなり薄味で煮込むのがポイントです。

肉骨茶はタレで食べるものですので、鍋に近い感覚でさっぱりと仕上げるといいのではと思います。

漢方は、アメ横センタービル地下の中国物産海羽で食材として漢方類を売っていますのでのぞいてみるのも楽しいですね。

でも、上記の漢方が手に入らなくても大丈夫です。

ディーンさんを満足させられないかもしれませんが、手に入りやすいものでなんちゃって肉骨茶は作れます。

材料

豚のスペアリブやバラ肉の塊肉

紹興酒

五香粉

中国醤油(生抽)*1

にんにく

生姜

お好みで、くこの実、なつめ、干しいたけなどきのこ類、レタス、タケノコ、揚げ豆腐、油条*2など

*1  日本の醤油を使う場合はコクがない割にはしょっぱいので注意が必要です。醤油に酒と砂糖を少し溶かしてコクを出してから、鍋に入れてください。スープは煮閉まるのでかなり薄めにとどめてください。写真の老抽王はダークソイソースと言って味はそんなに濃くなく真っ黒に仕上げたいホッケンミーなどに使います。

*2  油条は豆乳に入れて食べたり、はちみつをつけて食べたりする中国風の揚げパンです。

作り方

  1. スペアリブはそのまま、バラ肉の塊肉は2〜3cmくらいの角煮のように切り分けて、たっぷりの水につけ、一度煮こぼしてください。
  2. 鍋に1の肉を入れ、紹興酒を50ccくらい、肉が完全にかぶるくらいのたっぷりの水を入れてください。
  3. にんにくは包丁で潰して、生姜は薄切りにして、五香粉を入れます。これはお好みで加減してください。
  4. 3が沸騰したら、水面が動かない程度のごくごく弱火にして1時間半放っておきましょう。蓋をするときは、温度が高くなって水面がボコボコしないように火加減を注意してください。落とし蓋は温度が高くなりすぎるのでやらないほうがいいです。ボコボコ煮てしまうと肉が固くなり、スープが濁ります。
  5. ここで中国醤油と塩で味をつけますが、薄くて足りないなぁくらいにしておいてください。煮込むと濃くなってしまいますので注意です。
  6. タレは、中国醤油に輪切りにした中国醤油をつけておくだけ。
  7. 1時間半後、お肉がほろほろになったら出来上がりです。まだ固いようでしたらもう少し煮てあげましょう。乾燥したところは硬くなりますので、お肉がスープの上に顔を出さないように水を足してしてくださいね。

家にあるものでも作れる肉骨茶をご紹介しましたが、肉骨茶の素も輸入食材店には売られるようになりましたので、そちらを使うと漢方も入っているので、より本格的です。

オススメのお店:ペナン島

吉砂煲肉骨茶 Keat Ah Bah Kut Teh

 

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明記砂保肉骨茶

ローカル度満点!

 

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Zealand Bak Kut Teh

漢方の香りが強いので、クセがある方が好き〜という方にオススメです。

コムターかジェティから103のバスで10分くらい乗ると、左手にモスクが見えてきます。

そうしたらバスを降りて、海側へあるって行ける距離です。

 

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オススメのお店:肉骨茶発祥の地ポートクラン

Teluk Pulai Ba Kut Teh

クアラルンプールのセントラル駅からポートクラン駅行きの電車で1本。

駅からも近いので行きやすいと思います。

 

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四眼仔肉骨茶 Sei Ngan Chai Bak Kut Teh

メニューは普通の肉骨茶に加え、ドライ肉骨茶もあります。

こってりしてピリッとしているので、チリバリなしでもいいし、ご飯にピッタリです。

 

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まとめ

肉骨茶という料理、マレーシアで歩き疲れたときなどに疲労回復のため、食べてみてはいかがでしょうか。

美容と健康にもいいので夏バテしないようにこれからの季節に覚えておくといいお料理ですね。

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