いきなりですが、謎な食べ方に出会ったことはありますか?
そういう私は醤油とわさびをつけて水羊羹を食べます。
国内でもそうですが、自分のジョーシキとは違うことに出会った時、初めはびっくりその後しっくりすることもしばしばです。
今回はそんな珍しい食べ方のロジャというフルーツ盛り合わせをご紹介します。
Rojakとはナニモノ
場所はマレーシアのクアラカンサー、マレーシアいち美しいと称されるウブディアモスクの駐車場で売っていたロジャ。
マレーシアとシンガポールではRojak 、インドネシアではRujakと書く、伝統的なフルーツの和え物です。
酸っぱめでシャキシャキのフルーツや野菜が何種類か盛り付けてあり、その上に甘辛い赤味噌のようなものと砕いたピーナツをあえてあります。
不思議なタレの味
この赤味噌ダレは、味噌ではなくブラチャン、エビペースト、海鮮醬、タマリンド、グラマラッカ、チリなどを混ぜて作ったものです。
ブラチャンやエビペーストは、東南アジア特有のエビから作った発酵調味料でタイでもよく使われるガピとほぼ似ています。
タイ料理屋でガピチャーハンと言われるメニューを食べた時に香るあのプンとするあれです。
酸っぱい味の元になっているのはタマリンドで梅干しを水で溶いたような感じの味です。
グラマラッカはパームシュガーで、とてもコクがあって白砂糖より栄養もあって美味しいです。
それを混ぜ合わせるとあの味になるのですね。
それを、盛り合わせた新鮮なフルーツにかけていただきます。
不思議な味の組み合わせ
聞くところによると、原種そのままのフルーツだからだそうです。
原種は固かったり酸っぱかったりするので、マレー諸島の先住民はタレで工夫をして食べるという昔からの知恵なのですね。
ロジャは古い料理の一つで、グラマラッカと塩で食べていたらしく、西暦901年の古代ジャワ碑文に登場し、その後、16世紀ごろ辛くてスパイシーな唐辛子と砕いたピーナツがかけられるようになったようです。
各地のロジャ
地域によって色々なロジャがあります。
インドネシアでは基本的には、酸っぱい果物やキュウリなどのスライスの他に、揚げたり炒めた豆腐、餅、テンペ(大豆の発酵食品)、牛すじなどもあるようです。
タレもどろっとしたものから汁状のものまで、各地に様々なロジャが存在します。
マレーシアとシンガポールでは、基本のロジャに茹でたジャガイモも入っていたり、ペナンではイカのフリッター入りなど。
そしてお隣、タイにもやはりあります。
ナンプラー・ワーンといい、固く酸っぱいマンゴーにつけて食べるのはナンプラーとパームシュガーの煮詰めたものです。
これはタイで食べたことがありますが、少しチリが入っていて本当に美味しいです。
まだまだ世界には似たような食べ方があるのではないかと思うとロジャ探しの旅も次回のテーマにしようかと思うくらい奥深いと思います。
儀式としてのロジャ
ロジャの甘くてスパイシーな味は妊婦さんに好かれていて、赤ちゃんが元気に生まれるようにとの思いを込めて食べるようです。
また、甘めの味だと女の子、スパイシーだと男の子と信じられているようです。
日本でも酸性体質のお母さんからは女の子、アルカリ体質だと男の子というのを聞いたことありますので、まんざらウソじゃないかもしれませんね。
まとめ
日本や先進国は、ほとんどの食品を品種改良や遺伝子組み換え、農薬などよくない工夫をたくさん駆使して、美味しく食べられるように、原種とは違うものを作り出しています。
表面的にはいいことのように見えますが、その裏で体に有害なものを日々摂取することにもなっていて、年間一人当たりの添加物の摂取量は8kgになります。
平均ですから、もっと食べている人が大勢いることになります。
添加物だけでこれですから、品種改良を含めると安全な食生活はとても難しい状況です。
素材そのものを変えて美味しくすることも工夫かもしれません。
しかし、不自然なものを口にするより、元の性質をそのまま受け入れて、自然のままにいただくことの大切さも気づかせてくれます。
ロジャを食べたら、そんなことを思い出してもらえたらなと思います。